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普及が期待される新しい仕組み・IVS
かつて「一太郎 2014 徹」が発表されたとき、IVSと呼ばれる仕組みに対応したことが表明され、一部でちょっとした話題になりました。また、一太郎だけでなく、Office製品もアドオンという形でIVSに対応できるようになっています。
ここでは、このIVSについての概要と、フォント製品との関連について解説します。
異体字をスマートに扱うことを目指す“IVS”
他の記事でも紹介してきたように、日本語、特に人名に使用される漢字には細かなデザイン違いの異体字が多く存在し、それらをコンピュータ上で使用するにはいろいろな不自由が伴っていました。
ただでさえ膨大な字数のある漢字ですから、その異体字すべてに別々の文字コードを割り当てるのには無理があります。仮に割り当てたとしても、「厳密に区別され過ぎると検索が面倒になる」「フォントのサイズが大きくになりシステムを圧迫する」「過去の文書との互換性の確保が難しい」など、また別の苦労が発生するでしょう。
そこで最近になって普及が推進され始めたのが、IVS (Ideographic Variation Sequence) という仕組みです。
単純にいえば“異体字を束ねる”ための仕組み
IVSでは、むやみに文字コードを増やすことなく多くの異体字を使い分けられるよう、既存のUnicodeに新たな枝番をつけ加えることで異体字を管理しています。
「葛」のようにJIS90とJIS2004で標準字形が変更になってしまった文字を混在させることも可能になるほか、Proフォントのように多くの異体字を収録したフォントであれば「邊」のバリエーションをいくつも使い分けることができます。
一方、そのようなフォントのない一般的な環境で同じ文書を開いた場合は、枝番部分が無視されることで最も一般的な文字を表示。文字が欠損することなく文意を伝えることが可能になります。
検索においても、同様に枝番を無視する事で細かな字形違いにこだわらず「同じ字」と見なした検索が可能になるという訳です。
普及はまだまだこれから
IVSの仕組みを活かすには、IVSに対応したフォントと、IVSに対応したアプリケーションソフトの両方が必要です。
IVSの規格自体もまだ整備が続けられている中、アプリケーション・フォントともに対応製品も少しずつ増えました。それでも、全てのアプリケーションで誰もが意識せずに使えるほどに普及するかどうかは未知数です。
IVS対応アプリケーションソフトの例
2014 徹・Pro 2 以降の一太郎、Pro 2以降のATOK
Office 2010/2007用+IVSアドイン、Office 2013 以降
Apple iWork 2013 (Pages 5 / Numbers 3 / Keynote 6)
Internet Explorer 10以降、Firefox 4以降、Chrome 14以降、Safari v5.1.9以降
※InDesign CS4以降やAdobe Reader 9以降などのAdobe製品もある程度はIVSに対応しているようですが、現時点で目立ったアナウンスはされていません。
IVS対応フォントの例
ヒラギノフォント ProN製品 および Pr6N製品
モリサワフォント Pr6/Pr6N製品
游書体ライブラリー Pr6N製品
IVSの仕組みを使えるもう1つの規格
これまで多くの記事で紹介してきたAdobe-Japan1規格の他にも、実はもう1つ、日本語の大量の文字を集めて定義づけている規格があります。
それが、汎用電子情報交換環境整備プログラム委員会が整備を進めた「Hanyo-Denshi」という規格です。
この規格は戸籍で使われるすべての漢字を網羅して住基ネットなどで活用しようという目的で作られたもののため、人名漢字を中心に実に6万7000字以上もの漢字が選定されています。
IVSにより異体字を扱うための、もう1つの規格と言えるでしょう。
ただし実際のフォントとして見た場合、Hanyo-Denshiの規格に沿って作られているものは現状では独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「IPAmj明朝」くらいしか存在しませんし、今後商品化されることも考えづらいです。